翻訳会社が考える医療現場のサポート
翻訳会社ブレインウッズの笹波です。
昨年末にオープンした「メディカル映像翻訳サービス」の立ち上げについて、書きたいと思います。
私事で恐縮ですが、以前、妻の初産に際し、東京医療センターにお世話になりました。出産前のオリエンテーションでは、ドラマ仕立てのビデオ(なんと、看護師さんたちの手作り!!)を見せていただきました。ビデオを見ると、出産について注意しなければならないこと(だいたいにおいて夫は気が動転して役立たずなものだ!ということも)などがわかって、男の私にも出産が並々ならぬ重大なイベントであることがよく理解できました。
ところで、オリエンテーションに参加していた妊婦さんのなかには、外国人の方がいて、付き添いの日本人のダンナさんが、小声で何やらビデオの説明をしている様子でした。
そのビデオには、英語・その他の外国語の字幕は入っていなかったのです。身内で通訳ができる人がいるなら良いのですが、ご夫婦ともに、日本語がわからない人が日本の病院で出産、ということもあり得ることです。
出産はもちろんですが、病気や怪我の治療も、言葉もろくに通じない異国の地で対処しなければならない不安といったら想像にかたくありません(言葉が通じたって、出産も病気も怪我も、大変なことなのですから!)。
病院では外国人の利用者さんや患者さんに対するオリエンテーションで、日々、看護師さんたちが辞書を片手に、カタコトで対応されている、という話も耳にしました。
医療の現場での言語の壁は、医療従事者と利用者さんの双方にとって、大変な負担となっています(物理的にも、心理的にも)。利用者さんや患者さんのQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を高めるためにも、働く人の環境を向上する意味でも、医療施設の経営状況を改善する意味でも、字幕や吹き替えを使った映像の翻訳や外国語版制作は、とても重要で、やりがいのある仕事だと思いました。
これが、最初に医療・医薬向けの映像翻訳サービスをやってみようと思い立った出発点でした。
ブレインウッズでは、もともと翻訳サービスの一部として、医療医薬業界向けの翻訳を行っていましたが、映像翻訳部のほうでも、医療医薬に特化したサービスを展開することで、日本の医療機関や医療従事者のサポートをできないだろうか、と考えたのです。
このメディカル映像翻訳サービス、実は、立ち上げ以前から、医薬品メーカーさんや医療機器・器具関連のお客様から字幕翻訳をご利用いただき、ありがたいことにたくさんのクライアント様からリピートしていただいております。
すでに品質としては、実証済みでして、サービスとして本格的に立ち上げたことで、もっと皆さんに知ってもらえたらと願っています。
そして、医療サービスを受けられる方々の不安を少しでも解消できるような映像字幕や吹き替え翻訳・制作を通して医療現場をサポートしていければと考えています。