大人のための読み物こそ少年漫画
こんにちは。映像翻訳事業部の菅井です。 6月に入り、最近は雨ばかりで、より一層おうちで過ごす時間が増えてきた気がしますね。皆さんはおうちでどのように過ごしていますか?私は美味しいものをつまみながら、漫画を読むのが最高の幸せです。兄の影響もあり、小さい頃から少女漫画だけでなく、少年漫画もよく読んでいました。でもその頃はどちらかというと少女漫画の方が好きで、白馬の王子様を夢見る系女子でした。少年漫画にどっぷりハマったのは少し大人になってからです。名前の通り少年向けの漫画ですが、最近では大人向けのストーリー設定の作品が増えてきて、大人こそハマってしまう漫画になってきているのではないかと思います。 その中でも私の大好きなONEPIECE は、発行部数4億5000万部を超え、全世界で読まれている大大大人気少年漫画です。ただの特殊能力を持っている男の子と仲間たちが何かを目指して冒険するだけの話なら、世界中がこんなにも夢中になる大人気漫画になっていたでしょうか。作者のつくるONEPIECE の世界観は、実は現実世界とリンクしていたということを知っていましたか?主人公のルフィはONEPIECE を求めて色々な島を旅するのですが、その島にでてくる建物や景色、人々にはきちんとモデルになる場所があります。例えば、ヨーロッパのスペインやイタリアがモデルの島では、情熱的にフラメンコ(てきなもの)を踊る踊り子がでてきたり、コロシアムと呼ばれる戦士達が戦うのを市民が観戦する場所(見た目がほぼコロッセオ)などを舞台に物語が進んでいきます。漫画の中に出てくる海賊の多くは、現実世界の大航海時代で名を馳せた海賊がモデルとなっています。(それだけの理由で高校時代は世界史選択でした。)また、ONEPIECE は現実で起こっている社会問題を作品を通して、現代社会に訴えかけるようなストーリー設定が多くあります。例を挙げると、魚人島で起こった魚人と人間間の差別です。お互いのことをよく知らないのに、見た目が、食べるものが、言葉が違うだけでお互いを知る前に壁を作って嫌ったり、怖がったする。そんな描写がたくさん描かれているお話でした。今まで考えているようで、深くまで知ろうとしなかったことが、少年向けのまっすぐな言葉だからこそ、がっつり胸に響くのです。ONEPIECEは、連載が開始されてからもうすぐちょうど23年になります。作者はある取材で、すでにストーリーの8割が終わっていることを明言しているんです。今は、たぶん最後から2番目の島であろう日本をモデルにしたワノ国で、今まで以上におもしろくて、ワクワクする冒険の最中です。大人になった今だからこそ、改めて少年漫画をぜひ美味しいおつまみを食べながら、ゆっくり読んでみてください。